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東京地方裁判所 昭和56年(レ)35号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

本件は、東村山市立第三保育園父母会(被控訴人)の運営委員長(会長)が、解任された会計担当運営委員二名を相手取つて申し立て決定された金一四万円余の金員仮払いの仮処分の異議事件につき、原審がこれを認可したので、右二名が被控訴人の当事者能力を争つて提起された控訴事件である。

後記【判旨】の中で出てくる被控訴人の主張は、次のとおりである。

「(一) 被控訴人は、東村山市立第三保育園の園児(総数約一〇〇名)の父母(世帯数約八五)で構成される団体であり、浜野秀樹は、その代表者会長である。

右父母会は、代表者の定めのある会則を有し、その目的、執行機関、財産管理その他の組織運営の実態は、次のとおりである。

(1) 目的 乳幼児のより良い保育のため父母たちが協力する。

(2) 総会 毎年五月に開催する定期総会と、運営委員の二分の一以上あるいは、会全員の三分の一以上の要求によつて開催する臨時総会があり、構成員の過半数以上の出席をもつて成立し、議決は出席者の過半数の賛成をもつて決定する。

(3) 運営委員会 運営委員会は、運営委員によつて構成され、本会の運営にあたる。原則として月一回開催し、広報、渉外、文化、厚生、会計など会の活動に必要な仕事を分担する。

(4) 運営委員長 運営委員長(会長)は、運営委員会を統括し、対外的には会を代表する。

(5) 運営委員 運営委員は、各クラスごと二ないし三名を話し合い若しくは選挙によつて選出する。

(6) 会計年度 会計年度は、毎年五月一日から翌年四月三〇日までとする。」

【判旨】

一(当事者)

被控訴人が、東村山市立第三保育園の園児(総数約百名)の父母(世帯数約八五)で構成される団体であること、右父母会の目的、執行機関、財産管理その他の組織運営の実態が、同会に代表者の定めがあることを除いて被控訴人主張のとおりであることは、当事者間に争いがなく、<証拠>によると、当初、右父母会の会則上は、同父母会に運営委員長が置かれるべき旨の規定はあつたものの、同委員長が会を代表する趣旨の明確な定めがなかつたこと、しかし、実際には、運営委員会において運営委員中から選出された運営委員長が「会長」と称して対内的にも対外的にも会を代表する慣行が父母会発足当初から続いていたこと、そこで、右父母会では、昭和五五年六月二八日に開かれた同年度の定期総会でこれまでの慣行を明文化し、運営委員長が会を代表する旨の新会則を議決し、あわせて浜野秀樹を右運営委員長に選任する旨の運営委員会の議決を承認したことが一応認められる。

右事実からすれば、被控訴人父母会は、園児のより良い保育を促進するという一定の目的を有するおよそ八五世帯の多数人の結合体で、園児の入卒園に伴う会員の変動にかかわらず存続する一定の組織を有し、各会員の生活活動から独立した社会活動をなし、しかも団体の規約である会則により代表者の定めをも有するものであるから、民事訴訟法第四六条にいう「法人ニ非サル社団……ニシテ代表者……ノ定アルモノ」として、適法な当事者能力を有し、その代表者たる実行委員長に選任された浜野秀樹は当然に本件仮処分にかかる訴訟追行権を有することが明らかというべきであり、これに反する控訴人らの主張はいずれも採用のかぎりでない。なお、前記会則中の代表者の定めは、一部連合委員らの虚偽の申告に基づいて議決されたものである旨の控訴人らの主張については、これを認めるに足りる疎明がない。

(尾方滋 杉本正樹 原田晃治)

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